【後悔ゼロ!】夫である僕が立ち会い出産した感想と注意点

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こんにちは、サラリーマンではない僕です。

あまりの忙しさと体調の悪さにブログの執筆が滞っていました(友人のカオリンが連載を続けてくれているおかげで、なんとか更新が続いている状態。カオリン、ありがとう!)。もし毎回の更新をたのしみに待っていてくださる方がいらしゃったら、本当に申し訳なく思います。またできるだけ更新を続けていきますので、よかったら今後も遊びに来てください。

このブログで妻の妊娠についていくつか記事をアップしておりましたが……ついに一昨日、元気な女の子が生まれました! 

妊娠発覚と同時の切迫流産告知から8か月。成長が遅く体が小さいなど心配なことはいくつかありましたが、どうにかこうにか出産までこぎつけました。

これも産婦人科や産院の先生方、妻の職場の方々、僕が一緒に仕事をさせていただいている方々、家族、このブログを読んでくださっている方などなど、子どもにわずかでも関わってくださったすべての人たちのおかげだと思っております。本当にありがとうございました!

ところで、僕たち夫婦は「立ち会い出産」を選びました。文字通り、妻の出産に夫が立ち会うことを意味します。今回はこの立ち会い出産をした感想と注意点をまとめようと思います。

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「立ち会い出産」の意味を間違えていた

まず、僕は「立ち会い出産」の意味を間違えていました。陣痛中から出産中、出産後までずっと一緒にいられるものだと思い込んでいたのですが実際は違いました。妻が陣痛で入院しても僕は傍にいることができず、自宅(あるいは近くのホテルなど)での待機を命じられるのです。

【2018年8月1日追記】
病院によっては陣痛中から夫がずっと立ち会えることもあるようです。

妻の陣痛がはじまったのは11時ごろ。ところが、陣痛が始まってもすぐには出産にならないため23時ごろまでの予定で仕事にでかけました。そのあいだに妻は入院。僕はすぐにでも駆けつけたかったのですが、やはり自宅で待機することになりました。

いつ妻から連絡があるかと思うと眠ることはできません。一応はベッドに入ったもののウトウトしたまま朝を迎えてしまいました。そして午前6時半ごろ、妻からの電話が。

「そろそろ生まれるので来てください」

夫はこの段階になってはじめて病院に行くことを許されます。

自宅を出るときの気持ち

妻からの電話を切った僕はとにかく急ぎました。ただ、はじめての経験なのでなにをどう準備していいかわかりません。「もしかしたら清潔感のない人は分娩室に入れてもらえないかも……!」と思い洗面所で頭を流したり、ちょっときれいな靴下を探してみたりと、いま思えば無駄なことをしてしまいました笑 

そのわりに頭は意外とクールだったのかもしれません。「帰ってきたときに赤ちゃんの家がなくなっていたら困る!」と思って、ガスコンロなど火事になりそうな要素をしっかりチェックしてから家を出ました。ちなみに出産後に妻と話したら、妻も家の鍵だけはしっかりチェックしたそうです。夫婦だなって感じがします笑

電話が来てからタクシーに乗るまでの時間は15分から20分程度。これでも準備の遅い僕にしては最高レベルのスピードです。そして、慌ただしく準備するなかブツブツ言っていたのは、「今日が誕生日、今日が誕生日」でした笑

タクシーで病院に向かっているときの気持ち

妻が出産する少し前、「フィギュアスケートの浅田真央さんがタクシーに遠回りされて憤りを感じている」という内容の記事を読みました。

タクシーに乗った瞬間にこれを思い出した僕は「どうすれば遠回りされず、最短時間で病院まで連れて行ってもらえるか?」と考えました。

「妻がいま産気づいているんで!」とストレートに言ってみようかとも思いましたが、すぐにこれにはやめたほうがいいと感じました。万一、運転手さんに子どもに関する辛い経験(自分が出産に立ち会えなかった、子どもがほしかったけどできなかったなど……)があった場合、変にいじわるされる可能性があると思ったのです。(←自分、ちょっと歪んでます)

そこでパッとひらめいたのは、「玄関ではなく救急の入り口につけてください!」と大変慌てた口調で伝えることでした。この言い方なら「なぜ急がなければいけないのか」という理由を伝えるわけではないのに、緊迫した感じが伝わります。聞いているほうにしてみると、最悪は命に関わる事態だと察するためいじわるをしようなどと考えることもないのではないでしょうか。

これが功を奏した……のかどうかはわかりませんが、無事に最短時間で病院につきました。時間にして約10分。それでも人生でもっとも長い10分に感じました。

病院についてときの気持ち

病院についたものの、いきなり壁にぶち当たりました。分娩室っていったいどこ? 外来には妻の付き添いで来たことがあったのですが、分娩室となるとどこにあるのか見当がつかないのです。

時刻は朝7時。人の姿はありません。どうにか掃除の方を見つけて聞いてみたのですが、要領を得ない返事。この人をあきらめて階段を駆け上ると偶然にも職員らしき人がいたのですが、指示されたフロアにあるのは手術室。絶対にここじゃないじゃん! 幸いにもその後まともな職員の方に聞くことができ、無事に産婦人科のフロアに到着することができました。

大きな病院で立ち会い出産する方は、あらかじめ「どこに来ればいいのか、どうやって行けばいいのか」をしっかり確認しておくといいと思います。

分娩室に向かうときの気持ち

どうにか産婦人科につくと、ナースセンターには憔悴した感じの医師が一人。自分の名前を告げると「ああ、ご主人ね。少し座って待っていてください」との返事が。この人が妻の出産を担当してくださっている人の一人に違いありません! 神に見えました。

ただ、僕のなかでは「こっちです! すぐに来てください!」となるイメージだったのですがこれも全然違いましたね笑

やきもきしながら待つこと約10分……いや本当は2~3分だったのかな。ようやく呼ばれ分娩室への立ち入りが許可されました。ピンク色の服を着させられ長い廊下を少し進むと、奥から「ああああ~~~~」という悲鳴が。

まちがいなく、妻の声でした。

この声を聞いた瞬間、僕のなかには「申し訳ない」という気持ちが湧き上がってきました。いままで聞いたことがないほど辛そうな妻の声。妻ばかりが苦しんで自分は後からノコノコやってきて……。本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

分娩室に入ったときの気持ち

妻の悲鳴を聞きながら僕は分娩室に入りました。妻は僕が来たことにすぐ気づいたそうですが、悲鳴を上げていてそれどころではありません。

僕は僕で、なにか言葉を発したら涙があふれしまいそうで……。しばらくは目に涙を溜めたまま、苦しむ妻の横でバカみたいにボーっと突っ立っていました。

ちなみに、妻は僕が来たことに気づいたとき、「よかった、これでもう産んでいいんだ」と思ったそうです。僕が来るまで産んではいけないと思い、痛みに耐えていてくれたとのこと。妻よ、本当にすまん……。

陣痛に耐える妻の隣にいるときの気持ち

5分もすると陣痛で苦しむ妻の姿にも慣れてきました。このときに思ったのは「早く楽になってほしい」。ここまできて出産を中止することはできませんから、妻が苦しみから解放されるには子どもを産むしかありません。

よく聞いていると医師や助産師さんが妻にいろいろな指示を出しています。「いきむときはおへそのほうを見て」「足を閉じたら赤ちゃんが出てこられないよ」などなど。そこで僕は妻がおへそのほうを見やすいように背中を支えて体を起こしてあげたり、足をつかんで開いたままにしてあげたりしてみました。

あと、妻が酸素マスクをしていたのですが、これが結構ずれてきます。いきむときは息を吸うことができないため、大量の酸素を送ってあげたいものです。そこで、いきんだあとに酸素マスクで口と鼻をしっかり覆ってあげるようにしました。

これらにはそれなりに効果があったと思います。

そんなことをしていると、頭のなかがクールになってきます。医師や助産師の様子を見ていると担当が決まっているらしく、入れ替わり立ち代わりさまざまなか方々が適切な処置をしてくれています。それに気づいたとき、「ああ、プロってすごいな。大きな病院を選んでよかったな」と思いました。

ところで、妻は陣痛で苦しんでいるあいだ、それでも医師や助産師さんの指示をできるだけ聞いて実行しようとしていました。あの極限状態で人の話を聞くことができるな、すごい人だなと思っていたことを覚えています。

赤ちゃんが生まれたときの気持ち

僕が分娩室に入ってから約30分。赤ちゃんの頭が出てきました。立ち会う前は「赤ちゃんの姿を見たら感動するのかな」と思っていたのですが、まったくそんなことはありませんでした。

僕が思っていたのは、一刻も早く妻を楽にしてあげたいということだけでした。子どもを見て感動なんて全然……。

妻にかけた言葉は「頭が出た。もう少しだから」

頭が出て1分ぐらい経ったでしょうか。肩についで全身が出てきました。医師や助産師さんたちから「おめでとうございまーす!」という言葉が飛び交いましたが、このときも僕はまったく感動していませんでした。

出産なんて大仕事をやってのけた妻に感謝する気持ちと尊敬する気持ち。僕のなかにあったのはこの二つだけでした。

赤ちゃんが生まれたあとの気持ち

僕は、赤ちゃんは生まれるとすぐにおくるみ姿で妻のもとに来るのだと思っていました。でも、これも全然違いました。実際には分娩室の端っこに連れていかれ、なにかの処置をされるのです。

そのあいだ妻の身になにが起きているかというと、出産後の処置でした。麻酔を何本か刺されて縫われたり、お腹の上から子宮を押されたり……。そのたびに痛みを訴える妻の姿がかわいそうでした。

赤ちゃんを抱いたときの気持ち

あらゆる処置が終わると、ようやく赤ちゃんを抱っこすることができます。生まれてから20分~30分ぐらいだったでしょうか。助産師さんに「お父さんが先に抱っこでもいいですか」と聞かれたのですが、僕としては妻に悪くて……。でも、妻の「私はいま抱っこできる元気がないから先にいいよ」という言葉を素直に受け取り抱っこさせてもらいました。

第一印象は「あったかい」でした。

身長約45センチ、体重約2600グラムの生き物がこんなにもあったかいなんて……。これが命なんだななんて思いました。

そのあとは「生まれてきてくれてありがとう」「やっと会えたね」など月並みの感想。でも、確かに心の底からこんなことを思いました

立ち会い出産は後悔する?

ネットで「立ち会い出産」について検索すると、「後悔」という文字が並びます。それらの記事を読んだわけではないので、その理由はわかりません。

ただ、少なくとも僕は出産に立ち会ったことを1ミリも後悔していません。それどころか、立ち会い出産を選んで本当によかったと思っています。陣痛に苦しみながら子どもを産んでくれた妻にも、がんばってお腹から出てきてくれた子どもにも、愛情がいっそう強くなりました。

まとめ

・「立ち会い出産」は、本当に出産が近づいたころにならないと妻の隣にいくことはできない。
・妻が産気づいたらどこに行ったらいいのかを、事前に確認しておくといい。
・妻の出産中は赤ちゃんのことよりも妻のことで頭がいっぱいだった。
・赤ちゃんのことを考えられるのははじめて抱っこしてから。

ここに書いたのはあくまで僕の体験談です。まったく同じになる人は絶対にいません。でも、もし立ち会い出産について不安を抱えている人が読んでくださっていたら、参考になればいいなと思います。

……それにしても、妻が出産で苦しんでいるのに、夫はほとんどなにもできません。強いのはやっぱり女性で、男なんてのは無力なものだよな……。

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