こんにちは、サラリーマンではない僕です。
妻が妊娠32週に入りました。予定通り40週で生まれると考えると、妊娠生活もいよいよ大詰め。夫の僕も、そろそろ本格的に「自覚」を持たなければなりません。
……とはいえ、これがなかなか難しいものです。正直にいうと、日に日に大きくなる妻のお腹を見ていても「この中に自分の子どもがいて、もうすぐ出てくるのかあ。実感が沸かないな……」なんて思ってしまうことがあります。
こうした僕の気持ちとは関係なく、予定日はどんどん近づいてきます。出産までのスケジュールも待ってはくれません(←当たり前 笑)。
5月末、以前から「これは絶対に一緒に行ってね!」と“to do リスト”に組み込まれていた最後の「母親学級」に行ってきました。
目次
お産トラウマってなに?
母親学級のテーマは「出産と出産後の生活」。ちなみに「母親学級」という名前がついていますが、父親が出席することも可能です。特にこの回は予定日まで約2か月というタイミングで開催されただけに、1/4ぐらいのお母さんたちがお父さん同伴で来ていましたよ。
約2時間のなかでもっとも印象に残ったのは、「お産トラウマ」という言葉。僕ははじめて聞いたのですが、実は2014年9月17日に放送されたNHK「あさイチ」のなかで紹介され話題になったそうです。
具体的には、以下のような症状が表れるといいます。
2、病院の対応に対する不信感
3、突然、充分な説明がないまま医療処置を受けたことに対するショック
4、家族の対応に対する不信感
この結果思い悩み、その後の育児や次の妊娠に悪影響が出ることを「お産トラウマ」といいます。
ただ、少しわかりづらいものがありますよね。具体的に説明します。
1、挫折感
産科医さんの話を聞いていて、「お母さんにしかできない出産という大仕事を成し遂げたのに、挫折感を味わうってどういうことだろう……?」と思ってしまいました。でも、お母さんの気持ちは複雑です。これは「安産でなかったことに対する挫折感」だといいます。
お母さんたちは、お産に対してさまざまな不安を抱えています。また、少しでも安全に出産できるよう日々努力しています。僕の家のことで恐縮ですが、妻は妊娠してから体重が増えやすく、食事の内容を見直したり大好きなスイーツを我慢したりして体重コントロールに励んでいます。きっとこの記事を読んでくださっているお母さんのなかにも、同じようにがんばっている方がいるのではないでしょうか。
ただ、産科医さんによれば、「お母さんが努力したからといって、必ずしも安産になるとは限らない」のだそうです。赤ちゃんが大きく育ち過ぎてしまうこともありますし、強い痛みが出ることもあります。陣痛が起きず促進剤を使わなければいけないことになるかもしれません。
ここで大切なのは、「安産にならない原因のほとんどはお母さんの力でコントロールできるものではない」ということです。だから、安産にならなくても自分を責める必要はないのですね。もちろん、まだ生まれてもいない赤ちゃんにも責任はありません。つまり、誰にも責任はないのです。ここは本当に重要なことだと思いました。
また、これに関係して「お産を人と比べることは無意味」という言葉も印象的でした。出産に限ったことではありませんが、はじめての経験で不安なときはすでに同じ経験をしている人の話を聞きたくなるものですよね。僕の妻もネットや雑誌で出産体験談を読んでいます。ただ、産科医さんによれば、出産はなにからなにまで人それぞれだとのこと。人と比較して「お産のとき冷静でいられなかった」とか「人よりも痛みが少なすぎたから母親失格」(←こう思うお母さんがいるというのが驚きですが)などと落ち込む必要はないのですね。
僕の妻はメンタルが強いほうではないので、出産時になにかあったら自分を責めてしまいそうです。こうした考え方を夫婦で聞けたことは、本当によかったと思いました。
2、病院の対応に対する不信感
募りがちな不信感として多いのは、「主治医が1度しか診察に来なかった」や「陣痛のときに長時間放っておかれた」の2つだそうです。
妻が出産する病院では、外来での主治医と出産直前に入院したときの主治医は別の方が担当することになっているといいます。いずれにしても出産のエキスパートが担当するので安心してほしいとのことでした。
また、はじめての出産で陣痛が来ると不安になってしまうと思います。男性の僕でも、「これって正常? もしかしておかしい痛みだったりしない?」と心配になるだろうなと感じるわけなので、実際に痛みを感じているお母さんたちの不安は本当に大きいだろうなと思います。こうしたときに放っておかれると不信感が募ってしまうというのは簡単に想像できます。もし「なにかがおかしい……」と感じたら、いつでも病院スタッフを呼んでいいそうです。
3、突然、充分な説明がないまま医療処置を受けたことに対するショック
これは、あらかじめどんなケースでどんな医療行為が施されるか知っておけばショックを受けずに済むと思います。
会陰切開
はじめに説明があったのは「会陰切開」でした。男性の僕でも聞いたことがあるので、比較的よくある医療的処置なのだろうと思います。その目的は「お母さんと赤ちゃんを守るため」です。
出産に時間がかかり過ぎると、赤ちゃんに大きなストレスがかかります。こうしたリスクを減らし安全に出産するために必要だと医師が判断した場合におこなうそうです。逆に会陰切開を避けひどい裂傷が起きてしまった場合、出産後に傷の快復が遅れてしまうことがあるといいます。最悪の場合、しばらくのあいだ人工肛門で過ごさなければならないケースもあるそうです。
帝王切開
妊娠時から帝王切開を予定している方もいますが、出産中に緊急で帝王切開になることがあります。目的はもちろん母子の安全を守るため。現在は15~20%が帝王切開での出産になっているといいます。
産科医さんが強調していたのは、「帝王切開も立派なお産!」だということ。帝王切開であることに負い目を感じるお母さんがいるという話も聞いたことがありますが、男性の僕からしたら「え、なんで……!?」です。出産は女性にしかできない立派なこと。流産や早産などさまざまなリスクを乗り越えて出産したことだけでも男性からすると信じられない偉業です。それなのにどうして負い目に感じる必要があるの……? ちなみに僕も帝王切開で生まれたらしいのですが、だからといってなにも思っていません。それよりも母も僕も無事でよかったなと思っています。
ちなみに、帝王切開後は翌日から“歩行訓練”がはじまるといいます。これは血栓ができるのを防ぐためです。退院は1週間後。次の妊娠は1年以上空ける必要があるという説明がありました。
吸引分娩、鉗子分娩
吸引分娩は、トイレで使う吸盤のようなものを使い分娩を補助すること。鉗子分娩は、鉗子という器具を使って出産を補助することです。いずれも出産時間を早めて母子の安全を守るためにおこないます。
子宮底圧迫法
はるか昔からおこなわれている医療処置です。子宮内圧を高めるために子宮底を押すことで赤ちゃんが生まれるのを助けます。いきみに合わせて押すので、陣痛があることが前提になります。
陣痛誘発、陣痛促進
なかなか陣痛が来ない場合は、オキシトシンなどの薬剤で陣痛を起こすことがあります。余談ですが、オキシトシンといえば「幸せホルモン」として有名ですよね。陣痛の促進に使われることがあるというのは意外でした。
以上が、妻がお産する病院でおこなわれる医療処置です。おそらく多くの病院で同じようなことがおこなわれるのではないでしょうか。あらかじめ知っておくことで、病院に対する不信感が拭えると思います。
4、家族の対応に対する不信感
家族の対応に不信感を抱くお母さんも多いようです。一例として挙げられた「私が陣痛で苦しんでいるのに、夫がコンビニに寄ってから病院に来た」という体験談には、さすがに笑いが起きました。でも、ナーバスになっているお母さんにとっては笑いごとではないのかもしれませんね。妻に陣痛が来たら、なにをおいても最優先にしようと思います。
また、母親や義理の母親が30年も前の知識で「昔はこうだったんだから平気よ!」という言動をすることも多いようです。産科医さんによれば、昔といまでは情報に大きな差があるといいます。(お父さんを上手に利用して笑)うまく段取りをつけておくといいかもしれません。
ちなみに、正しい情報を手に入れるためには「ベイビープラス」とアプリがおすすめだそうです。産婦人科医監修でお母さんの体や食べもの、お金のこともまでさまざまな情報を無料で読むことができます。iPhoneでもandroidでのOKです。
最後の母親学級で教わった「お産トラウマ」の症状と対策についてまとめました。出産に対して不安な気持ちになているお母さんの役に立てば幸いです。今回もありがとうございました。