前回は、住宅ローンの繰上返済の効果についてお聞き頂きました。利息の軽減額という意味では、繰上返済にはメリットがあります。しかし、同時にデメリットもあるのです。
うっかりすると、大きな落とし穴にはまってしまうかもしれません!!
今回は、繰上返済の注意点についてお聞き頂きたいと思います。
目次
手もとの現金が減り、暮らしに余裕がなくなる可能性がある
住宅ローンの金利は現在1%程度であることが多いようです(変動の場合)。しかし元金が多額ですから、利息額も相当な額になります。すると、どんどん繰上返済し、支払う利息を少しでも減らしたくなるのが人情です。
でも、
そのお金、本当に繰上返済しても大丈夫ですか!?
繰り上げ返済にはメリットもあります。僕の場合は普通にローンを返済すると、「一生のうち丸1年は利息を支払うためだけに働いている」ということになってしまいます。そう考えるとゾっとしますよね?そのため毎年3月に繰り上げ返済しています。
しかし、デメリットもあるのです!
住宅ローン控除の適用外になるか、効果が半減するかもしれない!
「住宅ローン控除」とは、住宅ローンの年末残高の1%が所得税から控除される制度です。あくまで概算ですが、10年間の年末時に4,000万円のローン残高がある場合、10年間で最大400万円も控除されます。(細かい条件がありますが、ここでは割愛します)
繰上返済をするということは年末時の住宅ローン残高が減るということでもあります。つまり、住宅ローン控除の効果が減るということでもあります。
一般に低金利下では繰上返済せずにお金を貯めておき、11年目に一気に返済したほうが得になるとされています。ただし、ご自身が納めている所得税や住民税によっても異なるので、どちらがいいかは契約している銀行に聞いてみるといいでしょう。
ちなみに僕は、毎年3月に一定額の繰上返済をしています。繰り上げ返済によるデメリットは重々承知のうえなのですが、やはり「多額の借金をしている」という事実に気持ちが耐えられません。
もしかしたら将来まとまったお金が必要になるかもしれませんし、僕が急に命を落としてしまうかもしれません。大きなお金をどんどん銀行に渡してしまっていることについては妻に申し訳なく思いますが、その代わりとして積立貯金と積立投資、株式投資をおこなっています。
繰上返済にはメリットもデメリットもあります。しっかり天秤にかけたうえで、繰上返済するかどうかを決めるといいのだと思います。
住宅ローンの繰上返済に入れたお金を使うことはできない
繰上返済するということは、手元のお金を銀行に渡すということです。当然ですが、銀行に渡った時点で自分のお金ではなくなってしまいますから、必要なときに使えなくなってしまいます。
「いつでも使えるお金がある」というだけで精神的に落ち着いていられる方は多いと思います。気持ちの問題でなくても、家族の病気やケガなど大きなお金が必要になるときがいつやってくるかはわかりません。
死亡した場合、繰上返済したお金は返ってこない
住宅ローンを組むときは「団体信用生命保険」に入ることになります。「万一、住宅ローンを組んでいる人が死んでしまった場合は、それ以降の住宅ローンを免除しますよ」という保険です。これによって残された家族は莫大な借金を背負うことなく、安心して家に住み続けられるのですね。
ところが、繰上返済をしていてもしていなくても、死亡すれば住宅ローンは免除されます。そうであるとすれば、まとまったお金を繰上返済にまわさないで手元に残しておいたほうが、家族にとっては安心です。
繰り上げ返済については、こちらの本が参考になります!
資金計画の立て方から諸費用を節約する方法、正しい住宅ローン選びの方法まで、家を買うときのお金に関することをほぼすべて解決できる本です。
この本があれば、仕事で疲れているにもかかわらず、眠い目をこすって毎日インターネットで難しいことを調べる必要はなくなります。高いお金を払ってファイナンシャルプランナーに相談しなくても、自分自身でお金の悩みを解決できるようになります。家を購入する前にぜひ読んでおくといい一冊だと思います。
次回は、「地盤がかたく災害に強い地域を選ぶことも大切!!」についてお聞き頂きたいと思います。