家を買おうと考えたとき、最初に検討するのは「戸建てを購入するか、マンションを購入するか」ということではないでしょうか。戸建てと戸建てには、それぞれメリットもあればデメリットもあります。今回は、戸建てとマンションをあらゆる面から徹底比較してみたいと思います。
目次
価格で選ぶならどちら?
平均価格は、一戸建てのほうが高め。ただ、建物そのものの性能やデベロッパーによって、価格帯はまちまちです。また、首都圏であれば千葉県や埼玉県の場合、マンションのほうが高いこともあります。
防犯性はどちらが高い?
家族の安全を守るためにこだわりたい防犯性は、マンションの圧勝。オートロックのほかに管理人や警備員がいる24時間有人管理の物件も多いので安心です。また、このための費用は管理費に組み込まれていることがほとんどです。
戸建ての場合は、セコムなどのホームセキュリティを使うこともできますが、ある程度費用がかかることを覚悟しなければなりません。
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マンションの代表的なセキュリティ対策
マンションでは、自宅の玄関、エントランスやエレベーターホールのオートロック、管理人、警備員など、何重ものセキュリティが一般的です。外部の人間が入りづらい敷地内の公園があるケースも多いので、子どもを安全に遊ばせることができます。
家はどちらが広い?
あるデータによると、戸建ての平均面積は90平方メートル以上。これは平均面積70平方メートルのマンションよりも約20平方メートルも広い計算になります。4LDKで子ども2人~3人でそれぞれに個室を与えても、ゆったり生活するこができます。ちなみに僕の友人は東京に近い神奈川県に住んでいますが、床面積は130平方メートル近くあるそうです。
一方、マンションの場合、眺望のいいパーティールームやゲストルーム、キッズルームなどの共用部が設置されていることがあるので、上手に利用するといいでしょう。
駅チカなのはどちら?
「駅チカ」を求めるなら、マンションが向いています。多くのマンションは駅から徒歩圏内。7割が9分以内というデータもあるほどです。買い物にも便利ですね。ただ、駅前の喧騒を覚悟する必要はあるかもしれません。
「閑静な住宅街」を求めるなら、戸建てがオススメ。駅から離れている物件が多い分、騒々しくない静かな生活を送ることができますよ。ただ、徒歩10分以上(場合によってはバス)を覚悟しなければいけないかもしれません。お米やお醤油などの買いものは、アマゾンや楽天といった通販やスーパーマーケットの配達サービスを利用するといいですね。
間取りはどちらがいい?
一戸建ては家族間のプライバシーを確保しやすいのが特徴です。1階をLDKに2階をそれぞれの個室に……と簡単に分けることができます。その分だけ家族の気配を感じづらいので、年頃の子どもがいる場合は心配かもしれません。
マンションは家事導線がスムーズな間取りが多いのが特徴。一つのフロアに収まっているので、「料理をしながら洗濯」や「洗濯後はすぐにバルコニーへ」などスムーズな導線を確保できます。ただ、リビングのすぐ隣に間仕切り壁一枚で子ども部屋をつくることも多いので、プライバシーが気になる子どもにとっては苦痛になるかもしれませんね。
ゴミ出しや清掃は?
ゴミ出しや清掃は、圧倒的にマンションが便利。24時間ゴミ出しOKの物件が多く、自宅に生ゴミを保管しておく必要がありません。共用部の掃除は管理会社がおこなうので、いつでも清潔な空間を保つことができます。ただし、管理費の支払い義務があります。
戸建てを選んだ場合、週2回ほどの収集日と収集時間に合わせてゴミを捨てなければなりません。夏場は生ゴミのニオイが強くなりがちなので、それなりの対策が必要です。当然、敷地内の清掃は自分の責任で。土の庭がある場合は、雑草が生えやすいので掃除が大変です。ただし、管理費はかかりません。
耐震性は?
新築物件であれば、戸建てもマンションも震度6強~7程度の揺れに耐えられるよう設計されています。その意味ではどちらも安全といえるでしょう。ただ、マンションはさらに「免震構造」や「制振構造」、「耐震構造」を採用していることも多いので、安心感がアップします。最近は、戸建てでも耐震性を強化した家が登場しています。
見落としがちなのは、災害が起きたときの備蓄食料。マンションは建物内の倉庫で保管されていることが多いので、もしものときも安心です。戸建ての場合は町内会によって管理されているケースがほとんど。倉庫までが遠い場合ややや心許ない印象。自宅にもしっかり用意しておくといいですね。
駐車場は?
一戸建ては家の前に駐車場があることが多いので、重い荷物の出し入れも簡単です。都心では難しいかもしれませんが、郊外なら2~3台分のスペースを確保することもできます。僕の家は、横浜市南部ですが2台とめることができますよ。両親や友人が遊びに来ても安心ですね。
マンションの場合、機械式の立体駐車場が採用されていることがほとんど。出かけたいときにすぐ車を出せないのはストレスかもしれません。また、駐車料金に毎月1~2万円程度かかってしまうので、出費が増えることになりかねません。
住宅機能や設備は?
住宅機能について、もっとも大きく違うのは断熱性です。マンションは鉄筋コンクリートでできているため気密性が高く、断熱性が戸建てとは格段に違います。マンションに住む友人は、冬でもTシャツ1枚で過ごしているそうです。その他の設備に関しては、一戸建てとマンションに大きな差はなくなりつつあります。
人気設備の代表例
僕の家にはありませんが、キッチンで生ゴミを処理する「ディスポーザー」は非常に人気があります。生ゴミを一瞬で粉砕してシンクに流せるため、生ゴミのニオイがキッチンに漂う心配がありません。これは本当にほしかったです。
2枚のガラスを重ねた「複層ガラス」は、断熱性を高めるアイテム。ペアガラスともいわれています。その他、「食器洗浄乾燥機」や「浴室乾燥機」、「床暖房」など、便利な設備の標準装備が増えています。
採光や通風、眺望は?
戸建ては窓が多いので、風が通りやすい。ただ、隣家とあまりにも近いと、ほとんど窓を開けられないことも。マンションは窓が少ないですが、特に上層階や丘のうえの物件なら気持ちよく風が通ります。
採光に関しては、各物件によって差があります。戸建てなら、窓の多さや隣家との距離、吹き抜けの有無などできまりますし、マンションなら階数や周囲の建物の高さ、住戸の向きなどによって変わります。一概に戸建てとマンションを比較することはできません。
眺望は、タワーマンションの上層階が圧倒的に有利です。ただ、下層階でも共用部の使い方によっては上層階の眺望を手に入れられます。
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戸建ての場合、坂の上に購入することで、素晴らしい眺望を手に入れられる可能性があります。ただ、がけ崩れのリスクなどは考えておくべきでしょう。
防音性は?
戸建ては、各家が独立して建っているので、そこまでの心配は無用。たとえば、子どもが泣いたり走ったりしても、隣の家の中にまで聞こえることはほとんありません。ただ、自分の家の外には聞こえてしまうので、注意が必要です。もちろん、早朝や深夜の選択もOK。僕の家は夜中に電気代が安くなるプランを採用しているので、眠る前に洗濯予約をかけて翌朝干すようにしています。戸建てだからこそできることですね。
マンションは上下階の音が気になるところですが、最近はコンクリートスラブやフローリングの性能が高まり、防音性がアップしたといわれています。ただ、友人は家で「太鼓の達人」をやっていたら、下の階から苦情が入ったといっていました。
庭やバルコニーは?
「庭付き一戸建て」という言葉があるように、庭は戸建ての特権です。ガーデニングや家庭菜園を愉しみたい人にはぴったりです。マンションにも1階なら専用庭を持てるケースがありますが、毎月一定額の使用料がかかることがあります。逆に上層階なら、広いルーフバルコニーを持てることも。誰に見られることなく、優雅なティータイムを愉しめるかもしれません。
戸建てとマンションを、あらゆる項目で比較してみました。僕は最終的にマンションではなく戸建てを選びましたが正解だったと思います。もちろん、マンションを買って正解だったと感じる人もたくさんいるはずです。どちらが正しいという絶対的な基準はないと思います。この記事が住宅購入を検討する方の役に立てば幸いです。