前回は、屋根修理の見積もりが予想以上に高額だったことをお伝えしました。今回は、その後の夫婦会議の様子と、少しだけ我が家のお金事情をお聞きいただきたいと思います。
体験記というより、私たち夫婦の個人的な事情と見解を述べた記事になってしまいました。家の建て替えや購入で迷っている方に、一つの例として参考にしていただければ嬉しいです。
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夫の隠していた○○発覚
遅ればせながら、私たち夫婦の紹介をさせていただきます。
・私(カオリン)……33才。近所の飲食店でパート勤務。時々ライター。
・夫……41才。介護職。
子供はまだなし。犬と猫が一匹ずつ。いわゆる低所得者層ですが、夫のご両親が残してくれた持ち家のおかげでわりとのんきに過ごしています。
(犬と猫)
前回、夫は「新築も検討しているから」と言って、屋根の修理業者への返答を先延ばしにしました。
夫はこの業者を気に入らなかったのかもしれない。私は真意を尋ねました。
すると、夫は「だって180万円とか払いたくねえし……」と、歯医者に行くのを嫌がる子供のようなことを言い出したのです。そりゃ180万円は払いたくないし、歯医者には行きたくないけど、屋根も歯も直さ(治さ)なければ悪化するだけです。私は無視してローンを組む段取りについて話を進めようとしました。
そんな私の言葉をさえぎり、夫は衝撃発言をかまします。
「お金ならある……だけどこの家のために180万円は払いたくねえ!」
ん……? んん……? お金ならある?
問いただしてみると、なんとご両親が遺産金を残してくれていたことが発覚したのです! その額は、キングオブコントの優勝賞金と同じ……!!
いまとなっては不謹慎なのですが、私は遺産について隠されていたことを怒るのも忘れて、突然のタナボタに浮かれてしまいました。
これでローンを組まずに屋根が直せます。それどころか、自分たちにもしものことがあっても当面生活していけます。良かった良かった。
ところが、やはり夫は「この家にお金をかけたくない」の一点張り。どういうことなのか詳しく聞いてみると、「金をかけずに我慢して住む」のなら今の家に不満はないが、「金をかけてまで住み続けること」には我慢が出来ないらしいのです……。
180万円もかけて屋根を直すぐらいなら新築を建てたい。
これが夫の真意でした。
新築建て替えに決定!?
夫は、カバンから『SUUMO」を取り出しました。いつの間に買っていたのでしょうか。そして言うのです。
(夫の買ってきた『SUUMO』)
「俺、2階建てに憧れてたんだ」
「吹き抜けってかっこよくね?」
夫の話はどんどん雨漏り修理からかけ離れた方向に進んでいきます。たしかに対面式のキッチンって憧れるし、パソコンの作業スペースが確保出来たら……だ、だめだ!
屋根の修理費と新築を建てる費用とでは差がありすぎます。せっかく遺産があることがわかってホッとしたのに、全額はたいてローンまで組んで家を購入することに、私は抵抗がありました。
家族にとって家とはなにか?
持ち家か賃貸か、マンションか戸建てか……どんな家に住むのかということには、その人の価値観が直接表れます。
友人家族は、ローンに追われて出かける余裕がなくなるのが嫌だからと、あえて家を賃貸に暮らしています。また別の友人は、会社からは遠くなるけど、子供に環境のいいところで成長してもらいたいと、郊外にマイホームを建てました。
どんな家でどんな人生を送りたいのか、パートナーとどんな家族を築いていきたいのか。
私はこの時初めて考えました。
――――将来的には子供も欲しい、出来れば2人。大人2人に犬と猫でもういっぱいの家で、子供まで育てられるのか? 子供たちが大きくなれば、自分の部屋だって欲しがるだろう……。
「犬や猫と遊びまわるリビングの子供たちを眺めながら、対面式キッチンで夕ご飯の支度をする自分」という甘美な誘惑が、突如私を襲ったのです! それを実現させるためなら少しぐらい苦労したって構わないと思い始めました。ですが臆病者の私はまだ、手放しで夫に賛同することはできませんでした。
今回もありがとうございました。次回は、「リフォームと建て替え(新築)、どちらが得か?」をお伝えしたいと思います。
第1回目の記事はこちら→「【新企画スタート】家の建て替え時期は、築30年」