【住宅ローンの頭金】貯金のいくら残すかの考え方|相場や平均を考慮する意味はない

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家を購入するときに多くの人が利用する住宅ローン。本格的に契約を検討する段階になって気になるのは、「頭金をどうするか」ということではないでしょうか。かつては「頭金は物件価格の2割が相場」とされていました。ところが、いまは違います。では、住宅ローンの頭金については、どのような考え方をすればいいでしょうか。

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「貯金のいくらを残すか?」をどう考える?

住宅ローンの頭金は「いくら入れるか」はNG! 大切な考え方は……。」という記事に書きましたが、住宅ローンの頭金を入れるとき、「いくら入れるべきだろうか?」や「頭金の相場や平均はどれぐらいだろうか?」と考えてはいけません。大切なのは、「貯金のいくらを残すか」です。

そうだとはいえ、なにを基準に「いくら残すか」を決めればいいかわからなければ算出のしようがありませんよね。「貯金のいくらを残すか」を決めるステップは、以下のようになります。

A、家を購入したあとに購入する家具や電化製品のお金を考える

家は生活する「場所」ですから、生活を維持するための「アイテム」が必要ですよね。なんとなく暮らしているとわかりづらいものですが、家具や電化製品には想像以上のお金がかかります。

コンパクトなマンションやアパートから3LDKや4LDKの家に移る場合、部屋の数が多い分だけ必要なものも増えます。大きなものだと冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど。意外と盲点なのは、ペンダントライトや蛍光灯などの照明器具などでしょうか。建売住宅なら網戸も自分のお金でつけなければいけません。

僕の場合は、すべてニトリやビックカメラなどの量販店でそろえたにもかかわらず、110万円のお金が吹っ飛びました。(エアコン3台がききました……)

B、家を購入したあとに決まっているイベントにかかる費用を計算する

家の購入は人生のなかでかなり大きなイベントになりますが、そのあとも大小さまざまなイベントが続きます。

結婚式が控えている方もいらっしゃるかもしれませんし、海外旅行にいく人もいらっしゃるかもしれません。出産予定の方もいらっしゃるかもしれませんし、お子さんの七五三が迫っている方もいらっしゃるかもしれません。

こういったイベントに必要なお金を出して、合計しておいてください。

C、半年分の生活費を計算する

病気や事故など予想できない事態が起きたときのために、最低でも半年分の生活費を残しておくといいでね。

D、住宅の購入に必要な諸費用をはっきりさせる

家を建てたり購入したりすると、物件そのものにかかるお金のほかにさまざまな費用がかかります。たとえば、登記にかかるお金や税金、火災保険料や地震保険料、不動産仲介手数料など……。こうしたお金を考慮しないと、住宅ローンの頭金に使えるお金が決まりません。見積書の段階でしっかり確認しておくといいですね。

「諸費用」についての詳しい記事はこちらです!

住宅購入時の諸費用ってどんなもの? 相場はどれぐらい?
家を建てるときや買うときには、土地代や建物代以外にもさまざまなお金が必要になります。これに当たるのが、いわゆる「諸費用」です。ただ、この言葉...

すべての費用を合計する

最後にすべての費用を合計すると、貯金から残しておくべきお金が算出できます。

残しておくお金=A+B+C+D

あえて書くまでもないほど、単純な計算式でした……笑

また、こうして出た「残しておくべきお金」を貯金から引けば、住宅ローンの頭金に入れられるお金が出てきますね。

頭金なしでもリスクは大きくならない

貯金額-残しておくお金(A+B+C+D)がマイナスになってしまった場合は、どうすればいいでしょうか。つまり、住宅ローンの頭金にできるお金が1円もない場合です。

このときは、頭金を入れずに住宅ローンを組むという方法があります。

かつてのような住宅ローン金利が高い時代は、なるべく多く頭金を入れて借入金額を減らすことが大切だとされていました。仮に、「借入金額3,000万円&金利5%」の場合、初年度は利息の返済だけで150万円ものお金が取られることになってしまうからです。

ところが、2017年9月現在、空前の低金利が続いています。固定金利でも1%を下まわる商品が続々登場し、変動金利なら0.5%を切る商品が現れています。仮に「借入金額3,000万円&金利0.5%」で計算すると、初年度の金利はたったの15万円で済むのです。

こうした低金利下では頭金はさほど効果を発揮しません。僕は現在38歳ですが、両親の世代にとっては「住宅ローンの頭金には、物件価格の2割が必要」というのが常識でした。しかし、これはすでに過去の話。いまや頭金に1円も入れなくてもいい時代になりました。むしろ、無理して頭金を入れるより、当面の生活を維持させるための現金を残しておくほうが大切だということです。

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ちなみに、これは繰り上げ返済についても同じことがいえます。僕は多大な住宅ローンが残っているという状況にストレスを感じるため、毎年1回繰り上げ返済することにしています。

ただ、住宅ローンの金利が低い昨今、繰り上げ返済の威力はかなり弱まっています。それよりも、現金を残しておくほうが安全だといえます。頭金についても繰り上げ返済についても、事前に効果をシミュレーションする必要があるということですね!

まとめ

・住宅ローンの頭金は、「貯金のいくら残すか」で考える

・残す金額を決めるときは、住宅を購入するときに必要なお金や今後かかることが予想されるコストを計算する

・住宅ローンの頭金を用意できそうにない場合はゼロ円でも構わない(ただし、住宅ローン金利が低い場合に限る)

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