(各工務店の最終提案)
前回、S社のフル注文住宅が気に入った私たち。しかし、すでに話を進めているF社とY社にとっては、寝耳に水の出来事でした。そして、工務店バトルは山場をむかえることになります。
(第1回目の記事はこちらです)
F社の対抗案
S社のフル注文が気に入っていることをF社に伝えると、営業部長は眉間にしわをよせ、天を仰ぎだしました。そして、数秒間の沈黙のあと……。
「S社に全て合わせます……!」
苦渋の表情でこう言いました。
「全て合わせる」というのは
- カーテン
- エアコン3台
- 食器棚
- 樹脂サッシ
以上のオプションを全てつけた上で、価格をS社と同額近くに値引くということです。
……いきなりすごい提案きました笑
もともとF社がS社に勝っているところもあります。
- 耐震構造
- 外壁の素材のグレードが高いこと
- ガレージがついていること
この3点です。
間取りはS社に少し劣りますが、かなり魅力的な提案でした。
(ガレージに憧れる男性は多いのでは? 出典「ハウスネットギャラリー注文住宅」)
Y社の対抗策
正直なところ、ずっと「FかY」だった私たちの気持ちは、「FかS」に心変わりしていました。コスパの面ではY社が1番なのですが、F社に勝るような魅力的な提案がY社からは出されなかったからです。
Y社に断りの電話を入れると、例のホスト風営業マンが出ました。「どこが気に入らなかったのか」と聞かれ、F社がガレージの提案をしてきたことや、S社の自由度の高さに惹かれたことを話しました。渋々承諾したホスト風営業マン。しかし10分も経たないうちに、今度はY社の支店長から電話がありました。
そこで出された驚きの提案が……
「F社の提案している家を、F社より安い価格で我々が建てます!」
ええ!? そんなのアリ!?
実はF社の間取りや見積書をY社にちらりと見せていました。たしかに似たような家を建ててもらうことは可能だと思うのですが……。
本当にその日のうちに、Y社のホスト営業マンが、F社に似せた家の計画書を家まで持ってきました。「似せた家」というのは、「素材や耐震構造などは同じではないが、外観と間取りはそっくりな家」ということです。
見積もりを見ると、たしかに安い。
(各工務店の最終案まとめ)
しかし、私はY社のやり方が気に入りませんでした。
そんなやり方をしてまで、お客を取りたいの? プライドないの? 独自の提案はないの!?
苦しいのは分かるけど、Y社独自のプランを打ち出して欲しかった……。ということでY社の提案は、丁重にお断りしました。
……すると手のひらを返したように冷徹な口調になり、今まで渡した資料や見積書を返してくれと言われました。そんなことを言ってきた工務店は後にも先にもここだけ! 断ってよかったかも、正直そう思ってしまいました。
決断のとき
ごりごり押せ押せのF社と、スマートな対応で的確にツボを突いてくるS社。
それから数回の打合せを経て両者提案も出尽くし、決断のときは迫っていました。私は、最後の決断は夫に任せるつもりでした。今までいろいろ口を挟んだけど、我が家の土地も、家を建て直す費用も彼のご両親から譲り受けたものです。だから、決める権利は夫にあると思いました。
ただ、実は私の心は「F」に決まっていました。しかし、どちらの工務店も同じくらい良いプランだったので、近くの地元工務店に頼みたいというぐらいの理由でした。
夫はS社に惹かれているようでしたが、まだ決めかねている様子。なかなか決めない夫に少ししびれをきらしていました。
そんな中で、F社に出向いたある日のこと……。
F社は、この日が決戦の日と決めていたのでしょう。粘ります。夫は「もう少し考えたい」といういつもの返事を繰り返し、やりすごそうとしていました。しかしF社も引きません。「どこを改善したらわが社に決めていただけますか?」と食い下がります。結局2時間近くそんな押し問答を繰り返していました。
私のイライラはマックスに。断るなら断ればいいのに。まだ決められないならきっぱりそう言って席を立てばいいのに。優柔不断な態度を取っていたら、いつまで経っても終わらない!
F社 「改善点を教えてください!」
夫 「うーん……」
F社 「どこを直せばわが社に…」
夫 「ええーと」
私 「(イライライライラ……。なんという不毛な時間……)」
「F社さんに決めます!!」
あ、やべ。私が言っちゃった笑 夫に決めてもらうつもりだったのに笑
ということでついに依頼する工務店はF社に決まったのでした。夫よ、ごめん!
今回分かったこと
住宅建築業者は、客を引き込むために奥の手を持っている!
粘れば、さらに好条件が引き出せるかも。
これ、すごーく大切なことです!!
今回もありがとうございました。次回へ続きます。
(第1回目の記事はこちらです)