「俺たち妊活部」を読んだ感想|妊娠は女性だけでなく男にとっても大きな問題……

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 0

こんにちは、サラリーマンではない僕です。

妻が妊娠への準備を、大絶賛、進行中です。わざわざ都心までいって、必要な予防注射を打っています。

妻はもうすぐ32歳になります。調べてみると、30歳の自然妊娠率は「25%~30%」。これが35歳になると「18%」まで落ちるようです。妻としては、32歳のうちに妊娠しておきたいようですね。

妻が準備を進めているのに、夫である僕がなにもしないわけにはいきません。なにか勉強しなければ……。

でも、いったいどんな? まったくわからないので、例によってとりあえず本を読んでみることにしました。アマゾンにアクセスし、「妊活 男性」で検索。内容を読んでもよくわからないので、よさそうな表紙の本を2冊注文しました。いわゆるジャケ買いですね笑

そのうちの1冊が、『俺たち妊活部』です。

スポンサーリンク

「俺たち妊活部」ってどんな本?

「俺たち妊活部」は、筆者である村橋ゴローさんが3年に及ぶ妊活をしたときの話がまとめられたエッセーです。タイミング法、人工授精、体外受精と進み、妊娠、出産までに至る過程が、その時々の感情とともに綴られています。この「感情」が本当に素直でリアルです。うっかりすると読者を敵にまわしてしまうかもしれない気持ちや、自分の恥をさらけ出してしまう出来事まで率直に書かれているので、非常に好感が持てました。(「ぼく、りえちゃんから産まれたい!!」は抜群の破壊力でした笑)

ちなみに、本の前半は妊活に挑む男性たちのインタビュー。筆者だけでなく、多くの男性の生の声を聞くことができます。(いや、読んでいて辛かったです……)

「俺たち妊活部」を読んだ感想は?

「不妊治療は精神的にも肉体的にも、経済的にも大変らしい」
「不妊の原因は男性にある場合も多いらしい」

38年も生きているとこれぐらいの知識はあるのですが、実際に子どもをつくろうと考えていないと「うーん、そうなのか……」で終わってしまいます。筆者が3年間で使った費用は250万円! そして、妊娠に失敗するたびに疲弊する心と体。不妊治療って想像以上に大変です。

なかなか触れづらいダウン症についての言及もありました。いままで僕と妻が子どもについての話をしていたときに何度が出てきたのが、出生前検査。これは染色体異常――つまり、ダウン症という障害を持って生まれてくるかどうかを、出産の前に調べることができる検査です。

僕は妻に「出生前検査で障害のあることがわかったら産むのはあきらめてほしい」といったことがありました。「どうすればいいかなんて、まだわからないよ」というのが妻の答えでした。

それ以降、あまり話はしていないけど、「それでもやっぱり産むのはあきらめてほしいな」と思っていました。ただ、それがどうしてなのか、うまく説明できません。その気持ちを、筆者の村橋さんが代弁してくれていました。

というか、俺はさっきからアウトアウトと言ってるけど、ダウン症の子はアウトなんかじゃない。もちろん、産むよ。どんな子だろうと産むよ。でも結局、リアルガチで「あなたの子は障害を持って生まれてきます」と宣告されたら、育てきれる自信なんかない。ただただ怖い、それが僕の本音。

これを読んだとき、そう! そうなんだよ! と思いました。

そもそも僕は、親という責任を背負う覚悟がまるっきりありません。フリーランスで生活に保障がありませんし、それを一生分賄うほどの年収もありません。上流とか中流とか下流とかいった言葉がありますが、そのカテゴリーでいったら完全に下流です。

「自分の子どもがまともに育つはずない、自分が育てきれるはずがない」と考えていたのが、妻の妊娠を遅らせている原因だと思います。周りの人からは「子どもなんて勝手に育つよ、大丈夫。あんたも勝手に育ったでしょ」と言われることもありますが、なかなかそう割り切れないですよね。その上、障害を持って生まれてきたら……。考えるだけで恐ろしいです。

時々「こんなこと考える自分は、人として最低なんだろうな」と思うことがありますが、似た気持ちを持つ人が他にもいることに正直ほっとしました。

筆者の村橋ゴローさんってどんな人?

筆者は1990年代に大流行した雑誌「HOT DOG PRESS」でキャリアをスタートしたライターさんです。その後、女性誌から学年誌までジャンルを問わず執筆をしてきました。シリーズ累計200万部を記録するムックを書いたこともあるようです。エリートライターさんのように思えるのですが、一時は400百万円近い借金があったとのこと。そして、これをまだ結婚前の奥様が返済してくれたのだとか……。ドラマのような話です。

妊活をスタートしたのは、同じ年の筆者と奥様が40歳を迎えるころから。奥様だけでなく筆者も精神的錯乱を起こしながら、不妊治療の末に妊娠、出産となりました。

「俺たち妊活部」を読んだ感想 まとめ

僕たち夫婦に不妊治療が必要かどうかはまだわかりません。「よし、つくろう!」となったら、意外と簡単にできてしまうかもしれません。実際、僕のまわりにはそういう人がたくさんいます。

ただ、なかなか子どもができなかった場合、不妊治療を選択するのか、あきらめて二人で生きていく道を選択するのか……。これを考えるには、非常にいい機会となりました。


俺たち妊活部

スポンサーリンク
最下層