【不動産投資の基本がわかる】「はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由がわかる本」を読んだ感想

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「投資をはじめてみようかな」とおぼろげに考えはじめたのが、2014年。その後、投資信託→株式投資と経験し、そろそろ次のステップに進めないかなと考えはじめています。

不動産投資です。

家を購入してから「住宅って本当におもしろい!」と感じている僕にとって、不動産は実はもっとも向いている投資なのではないかなと思っています。

……とはいえ、僕の肩書は「フリーランス」。銀行の審査が厳しい職業ナンバー1の属性です。不動産投資が実現するかわかりませんが、勉強してみることに決めました。

ある本に目を通したところ、「まずは30冊の本を読んでください」とのこと。投資のために本を読むのはまったく苦ではないので、できるだけ読んでみようと思います。

ただ、せっかく読んでも、なにもしなければ忘れていく一方です。自分の血肉にするためにも、そして僕と同じように不動産投資をはじめようと考えている方の参考にしていただくためにも、本を読んだ感想を記事にしたいと思います。

1冊目の今回は、「はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由(わけ)がわかる本 (アスカビジネス)」です。

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「はじめての不動産投資1年生」ってどんな本?

キャッチフレーズは、「はじめてでもしっかりとリスクを回避し、物件を選べる大家さんになるための入門書」。

その謳い文句通り、「そもそも不動産投資ってなに?」という根本的な話を皮切りに、「不動産投資での儲け方」や「不動産投資でよくある失敗」、「物件の探し方や選び方、買い方」などなど、不動産投資の概要を1冊でつかむことができる本になっています。

「こういうやり方をすれば儲かるよ!」といった手法を説明するのではなく、「こういうことも知っておいてくださいね。あとはよく考えて選びましょう」といった内容になっている印象。非常に中立的で「不動産投資」というものの全体像をつかむのには最適です。逆にいえば、「本に書いてあることを再現して自分も設けたい」と考えている人には向かない本だといえます。

「はじめての不動産投資1年生」を読んでわかったこと

この本を読んでわかったことを具体的に掘り下げてみたいと思います。

はじめるのは「不動産価格が下落してから」はダメ

現在、不動産価格は全体的に上昇傾向にあるといわれています。そのため、僕は不動産価格が下がったら投資をはじめようと考えていました。「安く買って高く売る」のが基本であることを考えると、いま手を出すのは高値掴みになると考えられるからです。

この本によれば、僕の考え方は誤りだといいます。なぜでしょうか。

 小規模で結構ですので、まずは不動産投資を始めて、継続することが大切です。なぜかというと、いざ何らかの理由で不動産相場が下がった時に限って、金融機関からの融資が厳しくなっている可能性が高いからです。

平成初めのバブル崩壊の時も、リーマンショックの後も、金融機関は不動産融資を絞り気味でした。

(中略)

まだ不動産投資を始めていない方々も次の買い時に備えて、小規模でいいので取得して、不動産賃貸業者としての実績を作り、そして不動産スキルを高めていきましょう。

(p34-p35より)

僕が株式投資をはじめたのは約1年前です。たったの1年ですが、株主優待を利用した投資手法やチャート分析による投資手法などを試しながら、いろいろなことを経験することができました。

このページを読んで考えたのは、不動産投資も同じだということです。不動産価格が下落したときにいきなり投資をはじめてもうまくいかない可能性のほうが高いでしょう。まずは小規模でもいいので経験を積み、チャンスを待ちたいと思います。

「吉祥寺や下北沢、三軒茶屋に物件を買えば儲かるはず!」は間違い

僕は、住みたい街ランキングに出てくるような人気エリアで投資をはじめれば儲かるのではないかと、漠然と思っていました。ところが、この本によると必ずしもそうだとは限らないようです。なぜでしょうか。

 人気エリアは、不動産投資家にとって投資に適した良いエリアであるとは、必ずしもそうでとは言えません。

なぜなら、これらの人気エリアは土地の価格が高いため、物件価格や家賃も当然、高くなりがちなのですが、その家賃を支払える若者は、そう多くないからです。

最近20~30代は、バブル期のように見栄を張らず、身の丈に合った生活を目指す方が多いようです。ということは、その街に住みたいというニーズは強くても、実際にそこに住める若者はそう多くないともいえるのです。

最近は東京城南地区の人気ブランド地でも、家賃が下落傾向にあります。

ところが、それに比例して不動産価格が下がっているわけではありません。それどころか値上がり傾向にあります。

(p150-p151より)

簡単にまとめると……。

・人気エリアは物件価格が高い
・最近は人気ブランド地でも家賃が下落傾向
・それでも、最近の若者はそれだけの家賃を払うことはできない

こういうことになります。考えてみればごく単純なことなのですが、読んだとき思わずうなってしまいました。

ちなみに、僕は20代の若者との交流がありますが、彼ら・彼女らのお金の使い方は二分している印象です。週に何度もおしゃれなレストランで食事をして、旅行の写真までインスタグラムにアップしている人がいる一方で、地に足のついた生活がうかがえる人もいます。

そうだとはいえ、無理をしてまで人気タウンに住む人が減っているのは筆者のいう通りのような気がします。

「はじめての不動産投資1年生」を読んでわかりづらかったこと

カバーに「不動産投資の儲け方」と、不動産の基礎知識をとことんやさしく解説しました!」とある通り、全体的に非常にわかりやすい本でした。

ただ、「物件の探し方・選び方」以降、ややわからないことが出てきました。たとえば、「不動産会社の活用法」のページにはこう書いてあります。

 投資家が優良な物件情報を手に入れるためには、物件検索サイトなどを見るだけでなく、物件の情報を紹介してくれて、かつ信頼のおけるパートナー(不動産会社)が必要となります。

(p143より)

書いてある内容はよくわかるのですが、不動産会社の具体的な名前がわからなければコンタクトの取りようがありません。僕は戸建ての購入経験があるので、その仲介業者の知識はあるのですが、彼らから投資用物件を買えるのか……?

本の中立性を考えると、具体的な会社名を出すわけにいかないことはわかります。ただ、初心者としては、「で、その不動産会社ってどんなのがあるの?」という疑問は消えませんでした。この辺りは、自分で調べていかないといけませんね。

筆者の岡本公男さんってどんな人?

筆者の岡本公男氏は、三井住友銀行(旧住友銀行)に18年間務めた元銀行員です。主に融資業務を受け持ち、東証一部上場の旧財閥系の不動産会社から街の不動産屋さん、個人の大家さんまで幅広く担当したといいます。その後、不動産開発・管理会社に転職し、管理部門の責任者に。現在は、マンション3棟、アパート1棟、シェアハウス2棟、賃貸用戸建て1戸を所有する不動産投資家でもあります。

不動産運用の面でもお金の面でもプロフェッショナルということですね。

「はじめての不動産投資1年生」を読んだ感想 まとめ

・「不動産投資ってなに? どうやってやるの?」という初心者にとっては最適な1冊。
・一棟物マンション・アパート投資のメリットやデメリット、区分マンション投資のメリットやデメリットなど、中立な立場で書かれていて参考になった
・漠然としてイメージの誤りがわかって、考えの方向修正ができた。

「はじめに」には、こんなことが書いてあります。

 まずは、この本で不動産投資の基本的なことを体系的に理解してください。この本を読み終えたのち、あなたは、より有効な不動産投資手法を探すべく、さまざまな本やセミナーで、さらに学んでいただければと思います。

そういうことなので、これからも勉強を続けたいと思います。

今回読んでのはこの本です!


はじめての不動産投資1年生 儲かるしくみと損する理由(わけ)がわかる本 (アスカビジネス)

出版社:明日香出版社
発売日:2017年2月24日
価格:1,728円

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