【東芝倒産危機に見る】持株会で自社株を買い続けてはいけないたった一つの理由

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落胆

2017年3月3日現在、東芝の倒産危機が続いています。こうしたなか、原子力事業子会社「ウエスチングハウス(WH)」がアメリカの連邦破産法11条を適用した場合、新たな連結決算に3,000億円弱の損失が生じる可能性があることが報じられました。

東芝は、7,000億円を超える減損損失の主な原因となったWH社に破産法を適用することで、事業を継続した場合に発生する損失リスクをなくそうと考えています。ただし、7,000億円超の減損損失に3,000億円弱の損失が加算されることになるため、実際に破産法を申請するかどうかを見極めているようです。

会社の業績不振は、当然のことながら一般社員の生活をも苦しめているようです。2017年3月1日、『東芝社員の“持ち株”無常…「人生設計が無茶苦茶に」』(デイリー新潮)という記事がリリースされました。

タイトルを読んでわかる通り、東芝の社員が持株会で自社株を買い続けた結果、人生設計が無茶苦茶になってしまった……という内容が書いてあるのですが、これを読んで唖然としてしまいました。株式投資をはじめたばかりの初心者でもわかる“常識”とあまりにかけ離れたことが書いてあったからです。

今回は、持株会で自社株を買い続けてはいけない理由について書いてみようと思います。

持株会で自社株を買い続けてはいけない理由

まずは、このニュースの要点をまとめてみます。

東芝の持株会で株を購入して人生が滅茶苦茶になった! 記事の概要

・東芝は、4月の入社式直後から約1ヶ月の新入社員研修をおこなう。
・このとき、ほぼ100%の新入社員が「自社株持株会」に加入する
・自社株の購入額は任意だが、毎月1万円~2万円を給与から天引きされる
・一連の不祥事による株価大暴落で、人生設計が滅茶苦茶になる社員もいる
・30代の技術職社員は、株を売却してマンションの頭金にしようと思っていたが、半額以下に目減りしてしまった
・40代のベテラン社員は、1株あたり平均900円~1,000円程度で購入したので5分の1程度まで目減りしてしまった。定年後住宅ローンが残っていたら自社株の一部を売って返済するつもりだったができなくなった

これが本当だとしたら、まさに“ツッコミどころ満載”といった感じです笑

倒産危機は経営陣に責任があるが、この記事に登場する社員にも大きな問題が

毎日のように報道される東芝の倒産危機。言うまでもなく経営陣に問題がありますが、この記事に書かれている問題の場合は社員のほうにも問題があります。

もっとも大きいのは、おそらくリスクの管理をほとんどしなかったことでしょう。

わかりやすくするために、「40代のベテラン社員」について考えてみます。この方は、自分が勤める会社の株に「一点張り」で、「20年以上」投資を続けたことになります。

「一株あたり900円~1,000円で購入した計算になり、資産が5分の1に目減りした」とのことですが、東芝の株は、2009年に204円にまで下落しています。ちなみに、2016年3月3日13時半現在の株価は、約212円。つまり、一連の不祥事が発覚する前に、現在より低い価格まで下落しているのです。

毎月定額で投資を続ける「ドルコスト平均法」という手法は確かに存在しますが、リスクはしっかり管理します。東芝の株が上場来高値をつけたのは、バブル真っ盛りの1989年6月のこと。現在の7.5倍にあたる1,500円でした。

平均900円から1,000円での購入ということであれば、最高値から現在までに2度ほど利益確定のタイミングがありました。世の中の流れやチャートを確認していれば、損失を出すどころか利益を出すことができたはずです。これを怠ったのは会社ではなく、(少し厳しいですが)ご本人の責任と言わざるを得ません。あまりにも残念ですね。

記事の最後に、この40代の社員の方はこう語っています。

「保有する株数は会社に対する“忠誠心の証”。こんなときだからこそ、買い続けて株価を支えなければならないのではないでしょうか」

株の世界には「卵を一つのカゴに盛るな」という格言があります。東芝というカゴにお金という卵を盛り続けると、含み損が膨らんでいくばかり。できれば、別の形で投資を続けるほうが賢明だと思います。

では、低いリスクで長期的に資産を築くにはどうしたらいいのでしょうか?

持株会での購入をやめて、長期投資で資産を築くためにはどうすればいい?

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批判的なことを書いてしまったような気がしますが、記事に登場した40代の方も正しく長期投資すれば、定年後に住宅ローンを返済する以上の資産を築くことができたはずです。

長期投資に向いているのは持株会よりもこれ

この方の問題点を一言で表すと、こうなります。「たった一つの銘柄に」「リスク管理なしで長期投資」したこと。逆に言えば、「複数の銘柄に分散して」「リスク管理したうえで長期投資」すればいいということになります。ただ、「複数の銘柄」といってもどれがいいのか……。「リスク管理」といってもどうしたらいいのか……。こんなふうに思ってしまいますよね。

そこで便利なのが、「投資信託(投信)」です。

僕は3年ほど前に投資をはじめてみようと思ったのですが、株式投資は不安で手が出せませんでした。そのため、まずは投資信託で投資をはじめてみました。

投資信託とは、僕たちのような投資家から集めたお金を使ってプロが運用するものです。銘柄の選定からリスク管理までプロがやってくれるので、専門知識や手間がいらないのがメリットです。

どんな投資信託を購入すればいいの?

長期的に資産を築くのにオススメなのが、グローバルバランス型のインデックスファンドです。難しそうな用語が出てきましたが、そうでもありません。

グローバルバランス型というのは、日本の株式や債券、海外の株式や債券にバランスよく投資する投資信託です。

仮に日本株だけに投資していると、リーマンショックや東日本大震災のような出来事に見舞われたとき、大きく資産を減らすことになってしまいます。海外の株式や債券に一緒に投資していれば、資産を減らすリスクを避けることができます。

インデックスファンドとは、日経平均株価や東証株式指数(TOPIX)といった指数に連動する投資信託です。指数に連動するということはローリスク・ローリターンになるということですが、その分だけ資産の安全を守ることができます。

ちなみに、僕は「SBI資産設計オープン(資産成長型)」と「世界経済インデックスファンド」の2つを使って毎月定額の積立投資をしています。どちらも、グローバルバランス型のインデックスファンドです。また、僕は購入していないのですが、「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」の評判もかなりいいようですね。

悪質な金融商品にだまされないために

投資信託には、ほかにもさまざまな商品があります。僕が購入している投信よりも、もっとアグレッシブに利益を狙う商品もあります。短期的に利益がほしい場合は、こういった投信を購入するのも方法の一つでしょう。

ただ、ファイナンシャル・ジャーナリストの竹川美奈子さんはこう指摘しています。

銀行や証券会社の窓口ですすめられた投信を買うのはほとんどの場合、正解ではありません。なぜなら、窓口ですすめられる投信や大々的に宣伝している投信は金融機関にとってトクなもの(=投資家にとって損なもの)が大半だからです。

(「新・投資信託にだまされるな! —買うべき投信、買ってはいけない投信」)

僕はこの本を読んでから投資をはじめて本当に良かったと思っています。投資信託の仕組みを驚くほど簡単に理解することができましたし、なにより怪しげな投資信託に手を出さず、長期的な資産形成に向けて順調に進んでいるからです。これを読まなければ、うっかり「金融機関にとってトクな投信」にだまされるところでした。長いスパンでしっかり資産を形成したい方は、読んでおいて損はない一冊だと思います。

新・投資信託にだまされるな! —買うべき投信、買ってはいけない投信

持株会で株を購入しつづけると最悪の場合、こんなことになる!

持株会に参加するにはメリットもデメリットもあります。ただ、忘れてはいけないのは、「持株会で株を購入=投資」だということです。

仮に自社の業績が悪化したら、こんなことが起きるかもしれません。

1、給料が下がる
2、リストラによる失業
3、株価暴落で資産が目減りする

実際、創業から100年で倒産した山一證券の持株会で何十年も自社株を買っていた人は、資産が目減りしたどころではなく、数千万円のお金を一瞬にして失ったはずです。

人の価値観はそれぞれですので持株会での株の購入を否定したくありませんが、それよりは投資信託を利用して資産を形成したほうがいいのではないかと思います。

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